絵を描いたあとの“あるある”といえば、手や衣類・床・文具にまで付着してしまうカラフルな絵の具汚れ。
放置するとシミ化・色移り・生地劣化などのトラブルを引き起こし、特に衣類はお気に入りを台無しにしてしまうこともあります。
本記事では、家庭にある歯磨き粉を活用した簡単かつ効果的な汚れ落としテクニックを徹底解説します。
さらに 床・壁・文具・おもちゃ など衣類以外のケースにも踏み込み、多面的にフォロー。
読めばすぐ実践できる“保存版ハウツー”としてご活用ください。
家にある歯磨き粉でできる絵の具の落とし方
歯磨き粉を使った絵の具の基本的な落とし方
- 予洗い : 40〜50 ℃のぬるま湯でもみ洗いして絵の具をふやかし、顔料を浮かせる。
- 歯磨き粉を塗布 : 研磨剤入りの歯磨き粉を米粒大ずつ汚れに薄く伸ばす。
- ブラッシング : 使い古しの歯ブラシで円を描くように優しくこすり、繊維の奥に入り込んだ顔料をかき出す。
- すすぎ : 水で歯磨き粉と汚れをしっかり流す。ここで8割方落ちていればOK。
- 仕上げ洗い : 通常の洗濯洗剤+洗濯機で仕上げる。柔軟剤を併用すると繊維が整い再付着を防止。
ポイント : 子ども用など 研磨剤なし の歯磨き粉では効果が薄いので“大人用”を使用。ミント系の清涼成分はシミ防止にも一役買います。
さらに効果を高める裏技
- 歯磨き粉に 数滴の中性洗剤 を混ぜて界面活性力UP。
- ブラッシング前に ラップで3分パック して浸透を促進。
衣類に付いた絵の具の落とし方:手順と注意点
- 素材を確認 : コットンは落としやすいが、ポリエステルやシルク・レーヨンは要注意。混紡比率50%を越えると難易度UP。
- 色落ちテスト : 目立たない部分で歯磨き粉を試し、変色や光沢変化がないかチェック。
- 優しくこする : 強すぎる摩擦は繊維を毛羽立たせるため NG。コシの弱い歯ブラシを選ぶと安心。
- 乾燥前に対処 : 時間が経つと色素が定着し、除去が難しくなるため “汚れたら即ケア” が鉄則。
墨汁や油絵具など頑固な汚れにも対応する方法
- 歯磨き粉と重曹を1:1で混ぜペースト状に。
- 汚れに塗布→ラップで10分密着→歯ブラシでブラッシング→すすぎ。
- 仕上げに 酸素系漂白剤 を30 ℃のお湯に溶かし“10分浸け置き”して色素残りを分解。
コラム : 重曹のアルカリ性は“油分の乳化+消臭”を同時に実現。キッチン汚れと同じ理屈で絵の具にも効きます。
必要な道具と材料
用意するもの:歯磨き粉と歯ブラシ
アイテム | 理由 | ベストチョイス例 |
---|---|---|
研磨剤入り歯磨き粉 | 微粒子が顔料を削り落とす | クリアクリーン・アクアフレッシュ等の粒入りタイプ |
使い古しの歯ブラシ | 繊維の奥まで届く & コストゼロ | 旅行用ミニブラシも〇 |
ゴム手袋 | 手荒れ・色移り防止 | PVC・ニトリルどちらでも可 |
ラップフィルム | 密着浸透パックに活躍 | キッチン用でOK |
洗剤やオイルの活用法
- 台所用中性洗剤 : 油性顔料の乳化に◎。界面活性剤が顔料+油分を浮かせます。
- クレンジングオイル : 油絵具や墨汁の油分を溶かす。メイク落としと同原理。
- 酸素系漂白剤 : シミの漂白・除菌を同時にこなし、生乾き臭もカット。
絵の具汚れに適した素材の確認
- コットン・リネン : 研磨剤入り歯磨き粉と相性良好。多少のブラッシングでも繊維がへこたれにくい。
- 合成繊維(ポリエステル・ナイロン) : 熱に弱いので低温で丁寧に。高温設定は色移りリスク。
- ウール・シルク : デリケート繊維のため自宅ケア非推奨。必ずクリーニング店へ。
具体的な対処法
部分的な汚れの落とし方(スポット洗浄)
1. 汚れの下にタオルを敷き、色移りを防止
2. 歯磨き粉を米粒大だけ乗せ、歯ブラシで“くるくる”と軽く円を描く
3. 水または30 ℃のぬるま湯を数滴垂らし、再度ブラッシング
4. タオルを交換しながら汚れが移らなくなるまで続ける
5. 最後に流水でよくすすぎ、陰干し
服全体の汚れを取り除く方法(浸け置き洗浄)
- 洗面器に5 ℓのぬるま湯+大さじ1の歯磨き粉を完全に溶かす。
- 衣類を裏返し、15分浸け置き。途中5分ごとに軽く揉むと均一に作用。
- 軽く揉み洗いしたら通常洗濯へ。すすぎ2回+脱水は短め設定がおすすめ。
洗濯機を使った後処理の推奨手順
- 温度設定は 40 ℃以下 を推奨(高温はシミ固定の原因)。
- 酸素系漂白剤(粉末)を投入口へ。色素残りを徹底ケア。
- 脱水後はすぐ干し、色移り・皺・においの三重リスクをブロック。
予想される時間と効果
落とし方別の所要時間・コスト・難易度比較
方法 | 目安時間 | コスト | 難易度 | 期待度 |
歯磨き粉スポット洗い | 10〜15分 | ★ | ★ | ★★★★☆ |
歯磨き粉+重曹ペースト | 20〜25分 | ★★ | ★★ | ★★★★★ |
浸け置き+洗濯機 | 30〜40分 | ★★ | ★★ | ★★★☆☆ |
クレンジングオイル+歯磨き粉 | 25分 | ★★ | ★★★ | ★★★★☆ |
プロクリーニング | 3〜5日 | ★★★★★ | ★ | ★★★★★ |
汚れの種類による違い
- 水彩絵の具 : 水溶性のため浸け置きで比較的容易。
- ポスターカラー : 顔料が濃くバインダーが強いので重曹ペースト併用が◎。
- 油絵具・墨汁 : 油分を分解するクレンジングオイルを前処理→歯磨き粉仕上げが効果的。
- 蛍光絵の具 : 発色剤が頑固。酸素系漂白剤を長めに浸け置き。
注意事項とトラブルシューティング
絵の具が落ちない場合の対処法
- 研磨剤入り歯磨き粉+重曹 で再チャレンジ。
- 酸素系漂白剤 を追加し、30 ℃で20分浸け置き。
- アルカリ電解水スプレー を噴霧→5分放置→ブラッシングも有効。
- それでも残るなら プロのクリーニング店 へ。高価な衣類は無理をしない。
乾燥後の絵の具汚れの落とし方(カピカピ固着)
- 絵の具部分に 台所用中性洗剤 を原液で垂らし10分放置。
- 歯磨き粉を塗りブラッシング。泡立ちが弱い場合は水スプレーで湿らせる。
- ぬるま湯ですすぎ→酸素系漂白剤へ再度浸け置き(15分)で完了。
歯磨き粉以外の代替手段とその効果
代替品 | 効果 | 備考 |
粉末クレンザー | 研磨力◎だが繊維ダメージ注意 | 必ず目立たない所でテスト |
重曹ペースト | 研磨+脱臭効果で素材に優しい | 熱湯と混ぜると発泡力UP |
メイク落としオイル | 油性汚れに強い | すすぎ残しに注意・二度洗い必須 |
アルカリ電解水 | 顔料分散+除菌消臭 | スプレーボトルで手軽に使用可 |
まとめ
歯磨き粉は身近で安全性も高く、絵の具汚れを削り落とす “家庭の万能クリーナー”。ポイントは以下の3つ。
- 乾く前のスピード対処 がベスト
- 研磨剤入り かどうかを必ず確認
- 繊維を傷めないよう “やさしく” こする
これらを守れば、お気に入りの服や布製品を傷めずにキレイにできます。絵を楽しんだあとの“お片付け”も、今日から素早くスッキリ!